4.25.2010

卯月

まだ寒い日があったりするので、初夏が近いという実感もないけれど、4月もあっという間に過ぎてしまいそうだ。油断してる間に、書きたい事の5分の1も書けなかったし、映画のペースも落ちてしまった。と言っても、すべてがダメダメだったワケじゃなくって、別の部分で、新たに始めたり、体勢を立て直したり、進展している事もあるので、要はバランスの問題だと思うのだが。

** 最近の映画 **

MOTHER
ポン・ジュノ 監督(2009) 母なる証明
人間の深いところを見せてくれた傑作なのだが、久し振りにキョーレツに後味の悪い映画を観た。ネタバレしたくないので、まったく別の話で例えるならば・・・・自分も人間の子として生まれた以上、両親がエッチをした結果であるのは分かっているのだが、この映画は両親の性行為を生々しく目の前に突き出した上に、さらにとんでもない性癖の持ち主だった・・・みたいな、「うわぁ知らなきゃ良かった」「凝視したくねぇ」って感じの印象。ちょっと例えが違う気もするけど、不快感は似てると思う。「でも人間なんだからしょうがないんだよ」みたいな。

天然コケッコー
山下敦弘 監督(2007) 夏帆
MOTHERがあまりに後味が悪かったので(それだけ傑作だったという事だが)、3日後にこの作品を口直しに観た。くらもちふさこの少女漫画が原作。MOTHERとは立ち位置が正反対で、上の例えで言うならば、自分の両親にだってフワフワとした恋愛をした時間があったんだなぁ・・・という思春期目線のサワヤカでホノボノとした空気。それでも時折、大人の事情や陰がちょっと垣間見れたりもして、能天気なだけで終わってないのは、脚本がきっちりしてるからだろう。脚本は岩井俊二監督のシナリオ応募コーナー「しな丼」出身で、「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」等を手がけた渡辺あやさん。「ジョゼ虎」がシカゴ国際映画祭で上映された際にいらしゃっていて、素敵な方でした。

「MOTHER」と「天然コケッコー」はどちらもド田舎の閉鎖的な土地を舞台にしているものの、本当に両極端な作品。共通して言えるのは、どちらも非常に丁寧にその世界観を組み立てていると感じられる事だろうか。『いやあ、映画って本当にいいもんですね』。



黒澤明 監督(1985)
監督生誕100年+「乱」公開25周年の上映。実は、その25年前のロードショー公開時にも観ている。当時は餓鬼だったから、大人になってから観たらまた違う感想があるかも?と期待したのが、「長ったらしい」という基本的な感想は同じだった。秀虎が延々とさ迷う姿は監督自身なんだろうな。そんな中で、原田美枝子の瞬時の動きが素晴らしく、空気を引き締めていた。"黒澤作品"というより、"(世界の)クロサワ作品"というカタカナな印象。