9.30.2010

42 - Level 42 (Lessons in Love)

1987年の初夏だったかと思う。
バイト先の「女の子」と銀座で待ち合わせた。

その日は二人とも銀座で用事があって、僕は中央通りでの野暮用の前で、彼女は友達と会った後だっただろうか、短い時間だったけれどバイト以外で二人で会うのは初めてだった。

待ち合わせに遅れてきた彼女は、輸入盤のLPを2枚持っていた。
CDも普及していたけれど、レコードもまだ聴いていた時代。あの頃は、渋谷のCiscoやタワーレコード、六本木wave、新宿レコードといった輸入盤屋に飽きもせずに何時間も入り浸っていたっけ。

さて、彼女が持っていたアルバムはこの2枚で、僕は両方とも借りる事にした。

Obsession / Bob James (1986)
最近では「Smooth Jazz」と呼ばれたりして、「フュージョン」なんてジャンルは死語になってしまったが、Bob James はその類の音楽の代表格でもあった。

70年代から既に有名になっていた彼が、レコード会社を移籍した後で、シンセを多用して作ったアルバムがこれ。彼のキャリアの中では狭間に落ちたように目立たない作品。
「3 A.M.」という曲がとても気に入り、編集テープに入れて運転中に繰り返し聞いていたので、今でもこの曲を聴くと、山手通りあたりの渋滞で信号待ちをしている気分になる。


Running In The Family / Level 42 (1987)
「Lessons in Love」など一連のヒット曲の印象が強いが、本来はJazz Funk/ヒュージョン系で、ベース兼ボーカルの Mark King が率いるイギリスの実力派バンド。

もともとは技巧派でマニアックなバンドが POP色を強めて(=売れ線に走って)ヒットを飛ばすというパターンが当時はよくあった。最近のロックバンドを聴いていてつまらないと感じるのは、表面的な勢いばかりで、「実は技巧派」という存在があまり居ないからじゃないかと思う。上手いギタリスト、ベーシストの名前なんて思い浮かばないし。

Mark King はその後も活動を続けており、熱心なファンも多いみたいだ。下のビデオを見ていると、ライブに行きたくなってしまうし、Level 42の結成30周年ツアーもやってるらしい。

Lessons in Love .... 僕の学習能力は「恋愛」においても相当に低く、その後も計り知れないほどの失敗を繰り返してきた。色々と思い出しながら(反省も含む)久し振りに「3 A.M.」を聴いていたら、キッチンから妻が「あら、懐かしい曲を聴いてるねー」と声をかけてきた。この人は、あの銀座での待ち合わせにかなり遅れて来た事なんて覚えてないだろうな。遅刻の常習犯で今でも喧嘩になるくらいだしね・・・っていうか、打ちながらこの話をしたら、Level 42を貸し借りしてたことも忘れていたようだ(Bob Jamesは覚えていた)。
ま、23年も昔の話だ。僕だって自分に都合の悪いことは全部忘れてる。


予定日まであと42日。